少子化と専業主婦のお仕事について


これからの少子高齢化社会を考えると、
専業主婦という「お仕事」は、より過酷になるのでは、と
思っちゃうところもあります。
高齢者の介護が主婦の一般的な役割となりそうな気がしてます。


私の親の世代、現在50〜60代の人って、
7人兄弟、8人兄弟も珍しくはないかと思います。
第二次世界大戦中の「産めよ増やせよ」な風潮により、
どんどん子供を産んでいった時代だからでしょうかね。
そのため、自分の親・配偶者の親の介護をした経験の
ない方も多いはず。
大体は、長男の嫁が引き受けていたのでは。
だから、いまの社会も、
高齢になった親の介護をする家族のケースは
比較的少ないほうだったんじゃないかと。


しかし、私の世代(30代)やその下の世代は、
一人っ子とか、多くても3人兄弟とかが
一般的じゃないですかね。
つまり、親が高齢になったときに介護する確率が、
いままでよりも高くなっていくのでは。
また、医療技術の発達も併せて考慮すると、
今後は、高齢者の介護をする家族のケースが
一般的になっていくのでは、と思います。


で、高齢者介護をめぐる現状は、厳しいと個人的に感じてます。
私の父親が、最近、60半ばにして要介護5の身体障害者
なってしまいまして、
身体障害以外にも色々と昔から病気を持っているため、
病院の医師は「自宅介護は無理だろう」といっているのですが、
役所に相談に行くと「自宅介護ではダメなのですか?」と
言われ、とても無理そうと答えると、
独自で特養老人ホームとか療養病院をあたってくれ、と
いわれちゃいまして。
で、独自に各施設・病院等をあたっても、
「空きがない」
「うちでは対応が難しい」
「若すぎる」
等の理由で断られ、
受け入れ先を見つけるのがとても大変でした。
そのうえ、いま受け入れてもらっている病院も、
半年間だけ、という条件付です。
その先もひとつ、受け入れ先を押さえていますが、
(というか、病院間のツテで探し出してもらえたとこですが)
そこも半年間だけ、という条件付です。
さて、その先はどうするか。
家族一同、現在、たいへん悩んでいます。


なお、「若すぎる」という理由はですね。
現状の特養老人ホームとか療養病院の入所者・入院者の
平均年齢は80歳代なんだそうですよ。
それより若いと、なかなか入れてもらえないのが現状らしいです。
80ってことは、その子供世代もすでに高齢者の域ですよね、きっと。
うちの場合は、自宅介護が困難な状態だってことで
優先して特養に入所させてもらえるかも、と
病院の人や役所から言われていたんですが、
それでも受け入れ先探しにこれだけ苦労してますんでね…。


この調子でどんどん高齢化社会になっていくと、
特に、専業主婦の方がね。大変になるのかもしれないなーと
最近、ちょっと思うようになりまして。
自宅介護、という面でね。
ご家族の協力がもし得られなかったら、
床ずれしないように寝返りさせたり、食事させたり、
オムツ換えしたり等々、
全面的に引き受けることになるのが専業主婦ではないかと。
年中無休で、起きている間のほとんどが介護に費やされる、
という状況になりかねません。
社会に出て働くよりも、ある意味過酷かも。
労働者ならば、労基法で守ってもらえる面もありますが、
あいにく、家事専従者用の法ってないですよね。
そんなわけでねー。
自宅介護をケアする安価なサービスがもうちょっと普及しないと、
少子化を抜きにして考えても、
大変なことになりそうな気がしています。


で、よく、独身のまま高齢になると、
面倒見てくれる人がいなくて悲惨だ、
子供を作っておいたほうがいい、という意見を、
負け犬関連議論で目にしたのですが。
確かにそのとおりなんですけど。
子供だけをアテにしていると、
最悪、寝たきりになったときとかは
子供にすごく苦労させる結果になりかねないんじゃないか、
とも感じています。
経済的にも、精神的にもね。
なお、私の場合、現時点では、父親の入院費に月10万強かかってます。
けっこうな負担ですわ。
年金の大半が病院にいっちゃう感じですね。
民間の生命保険も、高齢になると掛け額が高くなるのに
払われる額が減るらしいし。
ついでに、なんか嫌なことがあると安易に離婚しちゃう
(と、私には見えるんですが)傾向は、
今後も続くんでしょうね、たぶん。
いざという時に子供を頼れるかどうか、余計に心配じゃないかな。
たとえば、息子さんが離婚して独身になってた場合、
働きながら親の介護するのって非常に厳しいですよ、きっと。


そんなわけでね。
子供に頼らなくても安心した老後が送れる社会体制の構築に
いまから意識を向けたほうが、ご自身のためでもあり、
また、お子様のためにもなるのでは、と、思ってます。
これは、現状、親の介護に悩んでいる子供としての私見です。
とはいえ、具体的に、一体どうしたらいいのかまでは、
検討もつかんところなのですが。


あと、少子化問題
ただ単に子供を増やせばいいということでも
ないんじゃないかなーと
前から思っていました。


問題は、出産率の低下より、
医療技術が発達し、平均寿命が伸びていったが、
高齢者増加への社会的な対応は遅れたこと、
現状の年金、健康保険などの社会保障
若い世代の経済力をアテにした体制だから、
人口が増え続ける前提で作り上げたシステムだから、
て点にあるんじゃないかな、と。


そうそう、ソースが見つからなかったんですが、
戦前の出生率と現在の出生率は、大して変化がないとの意見も
web上で見ました。
戦後の出生率が異常だった、と見ることも
できるんですかね。どうなんだろう。


そして、現状の社会保障制度を維持するために
人口を増やしていったら、
こんどは食糧問題や環境破壊の問題が
いっそう深刻化するのでは、と思うのですよ。
ま、以上は一個人の私見なんですが。

ワールドウォッチジャパン
http://www.worldwatch-japan.org/
・人口増加は土地不足につながる
http://www.worldwatch-japan.org/NEWS/ecoeconomyupdate2003-1.html

こちらに

地球上の耕作可能な土地の大部分はすでに耕されているうえ、舗装されたり建設用地として使われたりする農地も年々増えていることから、世界の穀物作付面積がこの先回復する見込みはほとんどない。
(中略)
世界人口の増加を抑制するのが急務であることを明確に示している。

との記述もありますし。
確かに、土地には限りがありますからね。


また、エネルギー消費の視点から見た人口増。

(財)エネルギー総合工学研究所
http://www.iae.or.jp/
・増え続ける世界人口(2005.03.18)
http://www.iae.or.jp/energyinfo/energydata/data1004.html

(前略)
世界の人口は産業革命以後のほんの300年間でそれまでの10倍にも増えたことになります。
さらに、21世紀の地球上の人口は、2050年には約90億人にも達すると予想されています。このうち先進国は横ばい、あるいは長期的には減少傾向と予測されていますが、途上国では大きく増加すると予測されています。
この人口増加という圧力が地球にもたらすものの一つは、食糧(水)の不足であり、エネルギーの大量消費です。

これも、前々から指摘されている問題ですね。


もひとつ。

UNFPA国連人口基金)東京事務所
http://www.unfpa.or.jp/
・世界人口の推移(グラフ)
http://www.unfpa.or.jp/jinkograph.html

この100年ほどで、どれだけ人口が増えたか
ひじょーに視覚的に分かりやすいグラフです。


ま、自分の老後も心配なんですが、
人口が増えれば増えたで、また別の懸念材料が
あるらしいよ、というご案内まで。
なんかもう、どしたらいいんですかねー。